少しでも上手く歌いたいとなると、皆さんやはり音程を良くしたいとお考えになりますよね。

実際このBlog【ボーカル請負人】にも、『音程の取り方』というキーワードで検索されて、入って来られる方が非常に多いです。

『音程以外の歌の大切な要素』に耳を傾ける大切さ】でも書いたように、『カラオケマシンの採点』や『世の中の音程が直された歌』の影響も大きいと思いますが、最近は特に音程を気にする傾向が強くなっていると感じます。

そういう方達を見ていると、一つ確認したくなることがあるんですね。

音程を気にする前に
歌う曲の音符(メロディー)がキチンと頭に入っていますか?

ということです。

自分ではメロディーをきちんと理解しているつもりでいても、うやむやに頭にインプットされていることは往々にしてあることなんですね。

正しいと思って歌っていても、実際には間違った音符(メロディー)で覚えてしまっていて、結果として音程が悪くなってしまう。この様なケースは非常に多いように思います。

メロディー譜を事前に確認し、音符の動きをイメージして歌う】でも書きましたが、この≪メロディー譜≫を見ながら歌を練習することはとても大切ですし、とてもためになります。

≪メロディー譜≫で音符の動きを事前に確認して、それをイメージしながら歌うことで、

音程が良くなるばかりか、ピッチを合わせようという心理から解放されて、歌のニュアンスや表情も付けやすくなります。

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上を目指すボーカリストの志

先日のことになりますが、ワンズウィルミュージックスクールの【体験レッスン】にある方がいらっしゃいました。

無料体験レッスン自体は普段、『趣味で歌を楽しく習いたい、純粋にカラオケが上手くなりたい』という初心者の方がほとんどなんですね。

この方に限ってはプロを目指しているということで、日頃から熱心にトレーニングされているようで、とても志も高く、自分の長所や弱点を的確に把握されていました。

特に感心したのは、歌う曲の≪メロディー譜≫を持って来られたこと。

実際に歌の方も素晴らしく、ハスキーがかった魅力的な声質の持ち主で、歌の間(タイミングの取り方)や表情・表現力がとても秀逸でした。

≪メロディー譜≫を見ながら練習するのは、ボーカリストとして当たり前の様な気もしますが、いがいとそれを実践されている方は少ないような気もします。

上のレベルを目指すのであれば、音程が良いのは当たり前の話です。そのためには普段から≪メロディー譜≫を見ながら練習することで、音符の動きなどは完全に頭に入っていなければなりません。

メロディーの動きを体にしみ込ませ、音程などは気にせずともピッタリ歌え、ニュアンスや表情をつけることに気持ちを向ける。そして、内なる自分の感情を歌に表現する。

ボーカリストとしてはとても大切な心掛けで、上を目指す方であればに是非やって頂きたいことです。

また自分の歌を把握するためにも、ただ歌うのでなく、トレーニングした歌を録音して確認することもとても大切になってきます。

これは私達の経験から言えることなのですが、ボイストレーニングで発声練習を繰り返し、発声の基本が身に付いただけでは、それを実際の歌に生かしてくのは難しいんですね。

いくら綺麗な発声が出来ても、良い歌かどうかは別の問題です。

そのためにも、キチンと自分の歌を録音して、客観的に歌がどうなっているか?把握する必要があります。

今は自宅で歌を録音するソフトや機材もかなり手ごろな価格で入手できるようになりました。

ですからボーカリストにこそ、自宅で歌を録音する機材は持っていて欲しいと思っています。

初心者のためのPro Tools Expressの使い方 〜マイク録音の設定と接続〜】でご紹介したように、

  1. パソコン
  2. Mbox(実売価格:¥38,000前後) or Mbox mini(実売価格:¥24,500前後)
  3. Pro Tools Express(Mbox mini、Mboxに付属する無料ソフト)
  4. マイクとマイクケーブル(Shure SM57とケーブルのセット。実売価格:¥8,500前後)

があれば、簡単に自宅で歌を録音出来てしまいます。

パソコンさえ持っていれば、Mboxファミリーとマイクを合わせて購入しても、わずか¥33,000~ で歌を録音するための機材は用意できます。

もし歌いたい曲の≪メロディー譜≫が入手できなかったとしても、DAWソフトを持っていれば自分でメロディーを耳コピして、midiで打ち込んだり鍵盤で弾くなどして、音符の動きをmidi画面で見れたり、音で確認することも可能になります。譜面を作ることも出来ます。

少なくとも、私の周りにいるプロ予備軍のボーカリスト達は、自宅でこの様なDAWやインターフェイスを持っている方がほとんどです。

このようにもう一つ上のレベルを目指すのであれば、

  • メロディー譜を見ながら練習し、音符の動きは完璧に頭に入れる
  • 自分の声や歌を確認する意味でも、歌を録音しながらトレーニングする

ボーカリストの心構えとして最低限実践して頂きたいことです。

ワンズウィル 中山 雅生