
こんにちは。ワンズウィルミュージックスクールの向井です。
「ボイトレに通っているのに、なかなか歌が上手くならない。」
「以前、ボイストレーニングを習っていたけれど、思ったように上達を実感できなかった。」
このような経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
思うように上達を感じられない日々が続くと、次のような不安を抱くこともあると思います
- 「自分には歌の才能がないのではないか」
- 「今の先生やレッスン内容が合っていないのではないか」
- 「このまま続けても意味があるのだろうか」
そこで今回は、プロのボーカリスト・ボイストレーナーとして長年にわたり多くの生徒を指導してきた経験をもとに、「なぜボイトレに通っても上手くならないのか?」についてお話しします。
■この記事でわかること
- ボイトレに通っても上手くならない主な原因
- 自分に合うボイストレーナーに出会うことの大切さ
- 音程やリズムを正確に見てくれる先生が重要な理由
- 歌の上達には時間と粘り強さが必要な理由
- 「歌の才能がない」と決めつける前に考えたいこと
原因を整理することで、今のレッスンや自分の歌との向き合い方を、少し違った角度から見つめ直すきっかけになれば幸いです。
ボイトレに通っても上手くならない主な原因
ボイトレに通っても上手くならないと感じる場合、その原因は大きく分けて2つあります。
ひとつは、先生やレッスン内容など、自分の外側にある要因です。
例えば、自分に合う先生に出会えていない、音程やリズムを細かく見てもらえていない、課題がはっきりしないままレッスンが進んでいる、といったケースです。
もうひとつは、歌い手本人の内側にある要因です。
歌の上達には時間がかかります。そのため、すぐに結果を求めたり、レッスンで得た感覚がまだ身につかないうちに不安になったりすると、上達を実感しにくくなることがあります。
原因は大きく分けて2つ
原因1
外側にある要因
- 先生との相性
- レッスン内容
- 指導の精度
原因2
内側にある要因
- 心持ち
- 練習の反復
- 粘り強さ
つまり、ボイトレで上手くならない理由は、単純に「才能がないから」と片づけられるものではありません。
先生との相性や指導の精度に加えて、本人が歌とどう向き合い、練習をどう続けていくかによって、上達の実感は大きく変わります。
原因1|自分に合うボイストレーナーに出会えているか
まずは、先生やレッスン内容など、自分の外側にある要因から見ていきます。
歌が上達するうえでとても大切なのは、「自分に合う先生に出会うこと」です。
例えば髪を切るとき、自分のセンスに合う美容師さんに出会えたら、安心して任せられますよね。
歯医者さんでも、「説明が分かりやすい」「腕が良い」「安心できる」など、自分に合う先生に出会えたとき、安心して通えるようになります。
ボイストレーニングもまったく同じです。自分が信頼できて、安心して任せられるコーチに出会えるかどうか。これが上達の大きな分かれ道になります。
安心して任せられる先生か
ボイトレは、声や身体の感覚を扱うレッスンです。そのため、先生に対して緊張しすぎてしまったり、質問しにくかったりすると、本来の力を出しにくくなります。
- 分からないことを素直に聞けるか。
- うまくいかないところも、そのまま見せられるか。
- 自分の悩みや目標をきちんと伝えられるか。
こうした先生との相性や関係性は、歌の上達にとても大きく関わります。

どれだけ知識のある先生でも、自分が萎縮してしまう関係では、思いきって声を出したり、必要なことを質問したりしにくくなってしまいます。
その結果、レッスンの効果も十分に受け取りにくくなってしまいます。
安心して歌えて、分からないことを素直に聞ける。
そう思える先生との関係性も、歌の上達には欠かせない大切な要素です。
音感がしっかりしている先生か
もうひとつ重要なのが、「音感がしっかりしている先生」であることです。
ボイストレーナーは、正確な音程を判断できなければ、的確な指導ができません。
歌は細かい積み重ねです。
ほんの少しのピッチのズレでも、全体として聴いたときに「なんとなく微妙」という印象になります。
音感がしっかりしている先生は、そうした小さなズレを見逃さず、細部まで詰めて指導できる先生です。いわば「精度の高い先生」といえるでしょう。
だからこそ、そのズレを見逃さず、細部まで詰めてくれる先生が大切です。
プロの現場経験はひとつの判断材料になる
先生選びのひとつの目安として、その先生がプロの現場を経験しているかどうかがあります。
レコーディングやライブなど、プロの現場は非常にシビアです。
音程やリズムのわずかなズレも見逃されません。
そうした環境で実際に仕事をしてきた経験がある先生は、音感や判断力が自然と鍛えられていることが多いです。
もちろん、プロの現場経験がある先生でなければ良い指導ができない、という意味ではありません。
ただ、音程やリズムのわずかなズレも許されない現場で、実際に歌い、表現してきた経験があるかどうかは、先生選びのひとつの目安になります。
その経験は、レッスンでの細かな指導にも活きてきます。
先生選びの目安として、参考にしてみてください。
原因2|歌の上達には時間と粘り強さが必要
次に、歌い手本人の内側にある要因、つまり心持ちや歌との向き合い方についてです。
結論から言うと、「音楽をこよなく愛し、自分の成長を前向きに楽しめる人」は、少しずつ上達していきます。
長年の経験から見ても、粘り強く続けられる方は、時間をかけながら着実に伸びていきます。
なぜなら、歌の上達にはどうしても時間がかかるからです。
人間の声や身体は機械ではありません。スイッチを入れたら翌日から急に上手くなる、というものではないのです。
歌はすぐに上手くなるものではない
歌は、身体や心、感性といった様々な要素で成り立つ、いわば「芸事」です。とてもアナログな世界でもあります。
例えば、音程は良いけれどリズムが悪い人がいたとします。レッスンでリズムを整えたら、今度は音程が少し不安定になる。こういったことはよく起こります。
例えるなら、右を叩けば左が飛び出すようなものです。だから今度は左を少し叩いて、また全体のバランスを取っていく。
そのように、音程、リズム、発声、表現といった要素を一つずつ整えながら、最後にはきれいな球体に仕上げていく。それが私たちボイストレーナーの仕事です。
その過程にはどうしても時間がかかります。
そのため、レッスン中に少しできたと感じても、家に帰って一人で歌うと、同じように歌えないことがあります。これは、決して珍しいことではありません。
レッスン中に先生に導かれてつかんだ感覚も、すぐに自分のものになるわけではないのです。
何度も練習しながら、少しずつ自分のものにしていくことが大切です。
大切なのは、レッスンでつかんだ感覚を何度も練習し、少しずつ身体に覚えさせていくことです。
その積み重ねが、上達へとつながっていきます。
上達までの時間を粘り強く楽しめるか
だからこそ大切なのは、上達までの時間を「粘り強く楽しめるか」ということです。
そして同時に、教える側がその過程を楽しく導けるかどうかも重要です。

歌の上達は、ある日突然すべてが変わるというより、小さな変化の積み重ねで進んでいきます。
- 以前より少し音程が安定した
- 高い声を出すときの力みが少し減った。
- リズムに乗りやすくなった。
- 歌った後に喉が疲れにくくなった。
こうした小さな変化に気づけるようになると、「上達していない」と感じていた日々も、少しずつ意味のあるものに変わっていきます。
焦らず、今の自分に必要なことを少しずつ積み重ねながら、音楽と向き合っていくことが大切です。
教える側と学ぶ側の両方が、ワクワクしながら音楽と向き合えているか。それこそが、歌が上達していくうえで一番の鍵になるのではないかと思います。
まとめ|ボイトレに通っても上手くならないと感じたら
ボイトレに通っても上手くならないと感じたときは、「自分には才能がない」とすぐに決めつけるのではなく、今のレッスンや自分の歌との向き合い方を見直してみることが大切です。
見直したいポイント
- 自分に合うボイストレーナーに出会えているか
- 先生の前で安心して歌い、分からないことを相談できる関係性があるか
- 先生が音程やリズムの細かなズレまで見てくれているか
- 歌の上達に時間がかかることを受け入れ、粘り強く続けられているか
- 音楽への愛着を持ち、小さな変化を前向きに感じられているか
歌は、すぐに全てか変わるものではありません。
だからこそ、自分に合った先生と出会い、自分の中の小さな変化を少しずつ感じながら、楽しんで続けていくことが大切です。
もし今、「頑張っているのに思うように上達しない」と感じている方がいらっしゃれば、一度レッスンにいらしてみてください。
あなたに合った方法で、上達に向けた道筋を一緒に作っていきます。



