今回の音がいいCDは、イギリスのソウルレーベル「Expansion」から2003年7月にリリースされたフランク・マッコムの2ndアルバム 『ザ・トゥルース』 です。
フランク・マッコムは、1970年オハイオ州クリーブランド生まれのネオ・ソウル・シンガーソングライター&キーボーディスト。
シルキーでありながらもハスキーな歌声で、Donny Hathawayの再来と注目される歌唱力もさることながら、キーボード奏者としても超一級で、ハービー・ハンコックやオスカー・ピーターソンに影響を受けたという鍵盤使いで、R&BファンのみならずJazzファンからも定評があり、多くのミュージシャンからも高い評価を受けてきたフランク・マッコム。
このアルバムは生楽器中心のJazzy & メロウ・サウンド。1970年代初期のソウル・グルーヴを現代に蘇らせた名盤です。
Frank McComb(フランク・マッコム)【Truth】
Steve Harvey(Drums,Keyboards,Percussion,Moog Synthesizer,Arranger,String Arrangements,Engineer,Mixing,Producer)
Paul Erickson(Engineer), Billy Preston(Rhythm Engineer)
このアルバムのプロデュースはSteve Harvey。ほとんどの曲の録音と全曲のミックスも手掛けています。(※レコーディングとミックスはDAWソフトのLogic Audioで行ったとクレジットされています。)
ミュージシャンでありながら、これほどまでに素晴らしい録音とミックスをしているのは驚きです。したがって音が良いだけでなく、とても音楽的なミックスに仕上がっています。各楽器の音量バランスも良く、音楽的センスが冴えわたっています。
アルバム1曲目の【Shine】
私がミックスやチェックや、レコーディング機材・オーディオ機器の試聴用に良く使っているリファレンス曲です。
リズムが入るまでに40秒、歌が入るまでに1分とイントロが長い曲なのですが、ドラム&Bassのグルーブが何とも言えずカッコイイです。(推測ですが生Drumsを録音した後に、編集してループ再生しています。)
良いオーディオシステムでこの曲を聴くと、イントロ部分(リズムが入る前)のフェンダーローズのタッチの強弱が有りのままに感じ取れ、フルートの広がりや奥行き感も非常によくわかります。
またこの曲のBassはあえて太い音というより、やや奥まった音をしているんですが、駆動力(スピーカー制御力)のあるスピードの速いアンプで再生すると、ベースラインのグルーブをリアルに聴き取る事が出来ます。
アルバム7曲目の【Actions Speak Louder Than Words】
ややコンプがかったドラムサウンドが滅茶苦茶カッコイイ音してます。プロデューサーであるSteve Harveyのプレイも素晴らしい。
フランク・マッコムが弾くWurlitzerも聞きごたえがあり、Hammond B3のオルガンサウンドの相性もバッチリです。
アルバム10曲目の【Intimate Time】
ウッドベースのような音をしているMoog Bassがとても心地よい低音を奏でているバラードですフランク・マッコムのPiano & Moog Bassプレイと、繊細でスムーズな歌声が見事に絡みあい、雰囲気をかもし出しています。
この他にも、PianoとStringをバックにしっとりと歌い上げるアルバム6曲目の【When You Call My Name】も良質なバラードです。
ときにスティーヴィー、ときにダニーを思わせるしなやかな歌声と、際立つキーボードテクニックが魅力のFrank McComb。そんな彼の良さがたくさん詰まったこのアルバムは、ソウルファンはもちろん、Jazzやフュージョンファンにも是非聴いて頂きたい1枚です。
アルバム試聴
ワンズウィル 中山 雅生
このFrank McComb【TheTruth】の新品CDをアマゾンで購入する場合、日本の出品者が販売していない場合があります。その場合、海外の出品者( importcds_comなど)から購入することになります。
良く聞かれることなので参考までに書きますと、私は importcds_comなど海外の出品者から何度もCDを購入していますが、一度もトラブルになったことはありません。