今回もPro Tools 8以降にデフォルトで付属しているソフトシンセを紹介したく思います。
モノフォニックアナログシンセの【Vacuum】です。
【Vacuum】のそれぞれのモジュールは、現実にはあまり見かけない真空管を使用した回路をモデリングしていて、音の厚みと個性的な音色を作り上げています。
真空管の特性を生かした独特な音色パラメータと、モジュレーションシステムが特徴で、ファットなシンセリードやシンセベース、複雑なSEサウンドなど幅広い音作りが行なえます。
少し細かくなりますが各セクションの性能を説明したく思います。
オシレータセクション
VTO ONE :VTO TWO
オシレータセクションでは、デフォルト画面左側の[VTO ONE]と[VTO TWO]の2系統が使用できます。
[SHAPE](それぞれ右上にあるツマミ)は使用する波形を選択できます。
VTO ONE]
[VTO ONE]では
- 三角波
- 鋸(ノコギリ)歯状波
- 矩形波
の変動が連続可変が可能です。
VTO TWO
[VTO TWO]ではノイズも作ることができ、LFOとしても機能します。
※LFO(Low Frequency Oscillator)とは(主に)人間の可聴域よりも低い周波数の波を発振する装置やモジュール。
[RANGE](左上のツマミ)で音域の粗調整、[FINE](左下のツマミ)で微調整が行なえます。
MIXERセクション
[MIXER]セクションでは、
- VTO1とVTO2のツマミで、VTO ONE/VTO TWOで作った音のミックスバランスを調整
- DRIVEコントロール(下から2番目のツマミ)、真空管ならではの豊かな倍音成分を作り出せます。
フィルタセクション
フィルタセクションではハイパスのVT HPF(Vacuum Tube HPF)とローパスのVT LPF(Vacum Tube LPF)が利用できます。
VT HPF:VT LPF
それぞれのツマミは
- CUTOFF( 左上のツマミ) ⇒ カットオフ周波数(それぞれ信号のカットを始める周波数)の設定
- RESO(右上のツマミ) ⇒ 音色にクセを与える設定
- SLOPE(真ん中上のツマミ) ⇒ フィルターの変化の設定
- ENV1(左下のツマミ) ⇒ エンベロープ1による変調量の設定
- KEY TRK(右下のツマミ) ⇒ 演奏する音域にカットオフの設定を追従させる設定
- SAT(真ん中下のツマミ) ⇒ 真空管によるサチュレーション効果の設定
となっています。
※エンベロープとはオシレーターやフィルタに接続して、音の高さや明るさ・大きさの時間的変化を付けるものです。
ageセクション
このシンセ独特のパラメータとして、真空管の経年変化をエミュレートする[age]セクションがあります。
Age
このセクションでは
- DRIFT<(上のツマミ) ⇒ オシレータのピッチに揺らぎやデチューン効果(チューニングを少しずらして音に広がりをもたせる効果)の設定
- DUST(下のツマミ) ⇒ 信号にオーディオ端子の接触不良のようなノイズを加える設定
の設定が行なえます。
MODセクション
MODセクションでは、SOURCE(左側のツマミ)とDESTINATIO(右側のツマミ)で2系統の変調元と変調先を指定する、ルーティングの柔軟な変調設定が行なえます。(作られた音に対するトータルエフェクトのようなもの)
MOD
というようにかなり細かい設定ができます。
きちんとリアンプすることで、本物のアナログシンセに近い太い音を作る事も可能です。
最近ではリード音やベース、SE的な音は、「マルチ音源でイメージに近い音を探して少しだけいじって使用する」という人も多いと思いますが、じっくり時間をかけて自分だけの音色を作り上げてみるのもとても楽しい作業です。
上記で説明したように、細かく幅広い音色を作り出すことができるため使い慣れてくれば非常に便利なアナログシンセです。
是非、作曲や編曲での音色作りに使用してみて下さい。
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