先日あるメジャーレコード会社に勤める私の同期と久しぶりに会っていろんな話をしました。
『まったくもって売り上げが落ちている』『制作費や宣伝費も削られて、TVなどの媒体もほとんど音楽を扱ってくれず、売るのが難しい』など、出てくる言葉はマイナスなことばかり。
音楽業界もCDや配信による売り上げが激減して、大変苦しんでいます。
でもそれには理由があるような気がするんですね。
CDが売れなくなったのは、レコード会社が魅了的なアーティストを輩出せずに、タイアップなどのプロモーション重視の戦略を練ってきたつけがまわって来たんだと感じます。
『こんなタイアップがあるから、ビジュアルの良い、こんな声質のボーカリストに、こんな感じの曲を歌わせればヒットする』
というように、アーティストパワー(個性)よりも、企画に合うようなアーティストをピックアップし、過去のヒット曲に似たような曲を歌わせる。
そして売れないと、またタイアップに合うようなアーティストを選別し、また同じような曲を歌わせる。
まるで≪方程式を解くように次から次へと同じような音楽を量産≫する。
当然リスナーは飽きてしまいますよね。
本来、レコード会社のあるべき姿というのは、才能のあるアーティストと巡り合ったら、その一番大切な個性をどういう売り方(プロモーション)をしていけば、世の中に届くのかを考えるものです。
まず最初にアーティストありきで、そこから戦略を練るべきです。
しかし、ここ何年かのレコード会社はプロモーションが先行して、その後に企画に合ったアーティストを選択して歌わせる。
まったく逆のことをやっているように私には見えます。
アーティストの個性もあったものではありません。
今の世の中は本物を求めているように思います。
作られたストーリーには飽き飽きしてるのではないでしょうか?
自分達が好きな音楽を好きなように創作しているインディペンデントのアーティストに、一般のリスナーが心惹かれるのは言うまでもありません。
ボカロ系のアーティストの方がよりアーティスティックで個性的で、面白いオリジナリティーのある音楽を作っていると思います。
皆が憧れるようなアーティストをメジャーレコード会社はいちから発掘・育成し、腰を据えて本物の音楽を作ってもらいたいと切に願います。