歌が上手くなる方法として、まず皆さんが思い浮かべるのは「音程のトレーニング」ではないでしょうか?やはり歌のピッチ(音程)が合っているかどうかは気になるところですよね。
- メロディの中にある「音飛び部分」で音程が外れやすいこと
- 「音飛び部分」をよく認識し注意すること
について書きました。
今回は、どうしたらこの「音飛び部分」をしっかり克服できるのか?音程を良くする練習として、是非実践して頂きたい4つの「音程トレーニング」について書きたいと思います。
ポイントは以下の4つです。
- <音飛び部分>を克服する「音程トレーニング」
- お腹で支える(特に高音)
- 手でメロディを描く
- 自分の居るべき場所イメージ
- 音飛びフレーズの練習
本文の最後に「音飛び部分」の音程を良くするトレーニング用音源もアップしてますので、是非参考にして下さい。
1. お腹で支える(特に高音)
「お腹での支え」は歌う上でとても重要なテクニックです。特に高音へ音程が飛ぶ時にはこのテクニックがあるととても便利です。
ただしこの方法の習得は、
腹式呼吸がしっかり出来ている事が前提
になります。
これを身につけるには、しっかりとした知識のあるボイストレーナーに習う必要があるでしょう。
またこれは、歌に必要な筋肉を作る作業になりますので、短期間で習得するのは不可能です。ある程度体が出来上がってる方でも、3ヶ月程度、また、全く初心者であれば、1年以上かかる場合もあります。
2. 手でメロディを描く
これは誰でも簡単に出来るテクニックです。
メロディを目に見える形のイメージに変えてあげるのです。例えば、左手にハンドマイクを持ち、右手で譜面の音符をなぞる様に動かします。
「譜面なんて分からないよ」と言う方は、以下のようにしてみてください。
- 高音になれば手を上に
- 低音になれば手を下げる
自分の手でメロディを描く様なイメージで、手を動かし歌うのです。
これはプロの歌手の方でも、例えば絢香さんや平井堅さん、ドリカムの吉田美和さんなどが使っている手法です。
ライブ映像などで、特に高音部分に音が飛ぶときなどを注意して見てみてください。自然な形でメロディを手で描きながら音程のイメージを作っていますね。
このように、音のイメージを手で描くことにより、音飛び部分での音程イメージがより明確になります。
3. 自分の居るべき場所イメージ
これも「イメージをどう持つか?」と言う事なのですが、特に「高音」に音が飛ぶ時のイメージは非常に大切です。
多くの方は、音が高くなればなるほど、自分より上に音があるイメージを持ちます。
これは自然な流れなのですが、このイメージを持ったままでいると、高音はとても苦しくなりがちで、しかも音程はフラット(低く)してしまう傾向にあります。(逆に高く意識しすぎてシャープしてしまう事もあります。)
これはどうしてか?というと、
結果的に音程が外れやすい状態になってしまいます。
では、どうしたら良いのでしょうか?
これはあまり知られていない事ですが、
音程が高くなっても、「自分がその音より高い位置に居るイメージ」を持ってください。
- 高音を出すときのイメージは
- 下から上を向いて高音を出すのではなく、自分が音の位置より上にいて、高い音を下に押し付ける様なイメージです。
そのイメージを持つだけで、高音はかなり安定して行きます。
4. 具体的に音飛びのフレーズを反復練習する
これは基本中の基本ですが、鍵盤楽器を使い音程を繰り返し上下して練習する。
- <低音 → 高音>
ド→ソ、ド→ラ、ド→シ、ド→ド(1オクターブ) - <高音 → 低音>
ソ→ド、ソ→シ、ソ→ラ、ソ→ソ(1オクターブ)
ピアノやシンセサイザーなどの鍵盤楽器の方が、ギターやその他の楽器より音程が安定していますので、音程を確認するには適しているでしょう。
しかし、自分自身で音程をジャッジしながら練習するのはとても難しいものです。
専門知識を持ったボイストレーナーに指導を受けて、しっかり歌えているか確認してもらうのが理想ですが、自分で一人行う場合は、トレーニング中の声を録音するなどして、正しい音程で歌えているか確認することが大切です。
この<音飛び部分>の音程を良くするためのトレーニング用の音源を、以下にアップするので、これに併せて一緒に歌い練習してみて下さい。
以上4つの方法を説明しましたが、参考になりましたか?
(1)は少し難しいですが、(2)~(4)に関してはすぐにでも実践できる内容だと思います。
「音飛び部分」は、歌の中にいくつも入っています。特に邦楽の場合、メロディのインパクトが求められた90年代以降の楽曲から現在に至るまで、とても多く用いられている手法です。身近にある曲の中に「音飛び部分」があるかどうか探して見るのも面白いでしょう。
又、音飛び部分に差し掛かった時「音が飛ぶ」意識を持って歌うことで、音程は今よりずいぶん良くなると思います。是非、実践してみてください。