以前、【良い息継ぎ(ブレス)は歌に良い変化をもたらします】という記事の中で、
- 歌中で意識すべき息継ぎ(ブレス)の5つのポイント
- 適切な箇所で息継ぎをしているか
- 曲のリズム(タイミング)に合わせているか
- ブレスの長さ(大きい・小さい) は適切か
- 息継ぎ(空気を吸う)のスピードはテンポ(曲調)に合っているか
- スムーズに肺に空気を入れられているか?足りているか?
という話をしました。
良い歌のためには≪良い息継ぎ≫がとても大切になってきます。『息継ぎなんてちゃんとやってるよ』とい方も多いと思います。
でも現状はどうか?
実際に歌をレコーディングしていると、適切でないタイミングで息継ぎをしている方が実に多いんですね。
下の図をご覧ください。
息継ぎを早くしてしまった結果、次のに歌うタイミングが悪くなってしまった例
中:(緑の波形)が正しい位置で息継ぎをしているOKボーカル。
下: メロディーラインのMidi(音符の正しい位置)
画像中央の『息継ぎ』の波形の場所に注目してみてください。上(青)の『息継ぎ』はタイミングが早いことが分かるでしょう。下(緑)が正しい位置で『息継ぎ』をしています。
画像を拡大して頂けると良くわかると思うのですが、青の波形は息継ぎを早く始めてしまった(しかも息継ぎが長い)ため、次の言葉への【間】がもたず、その後の歌のタイミングまで悪く(遅く)なってしまっています。
このように、息継ぎのタイミングが合っていなかったり、適切な長さになっていないと、次の歌にまで悪影響を及ぼしてしまいます。
息継ぎ』は≪良い発声≫と≪歌にリズム感と間≫を与えるためにも大切
良い声を出す(発声)のためには、正しい呼吸をしなければならないことは皆さん理解できると思います。
いわゆる腹式呼吸です。
発声に関わる筋肉(喉や首など)を緊張させることなく、お腹周りの筋肉を使い横隔膜の収縮運動をおこなう≪腹式呼吸≫で、スムーズな呼吸(息継ぎ)をすることで、効率よくに肺に空気を送ることが出来るようになり、声を自由に操り、安定感のある歌声になります。
このように息継ぎは安定感のある声を出す(良い発声)ためにはとても大切になってきます。
しかし上に記したように、息継ぎが大事なのはそれだけではありません。
初心者の方が『歌が走ってしまったり、遅くなってしまう』のは『息継ぎ』が関係していることも多いようです。
『息継ぎ』は地に足のついた安定感のある声をだすためにも、リズム感や『間』を与えるためにもとても大切になります。
皆さんも歌う時に『息継ぎ(ブレス)』を今一度確認してみてください。歌に良い効果が出てくると思います。