前回のブログ【ボイストレーニングの基礎 〜効果抜群の【リップロール】】では、ボイトレで正しい発声を身につけるための練習方法として、リップロールのトレーニング効果について述べました。
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リップロールで得られるトレーニング効果
- 唇や表情筋のリラックス
- 音程を正しく取るトレーニング
- 横隔膜のトレーニング
- <裏声と地声を滑らかに繋ぐトレーニング
今日は、実際にリップロールのやり方を説明したいと思います。
リップロールの具体的なやり方
- 唇を軽く閉じます。
- 空気を吐きます(この時、音は付けない)。まずは、空気だけで行う。
- 唇が高速で開いたり閉じたりし、「ブルル」と音が出ます。
- 音と音階を加える(「ブゥ~」と言うつもりで)
- ドレミファソファミレドを行う。
以下、リップロールを行う上でのポイントやコツなどを述べていきたいと思います。
上手く唇がブルブルしない場合は、以下の方法を試して下さい。
1.上唇と下唇を多少押しつけてみる
基本的にはリラックスして行うことが大切ですが、この方法で、最初に唇がロールするきっかけをつかんで下さい。
多少押しつけることでブルブルし出せば、その後は、なるべく力を抜いた状態で出来る様に良いポイントを探して下さい。首も肩もなるべくリラックスした状態で行う。
2.唇を唾液で湿らず。唇を潤す。
唇が乾燥している場合、表面が硬直し上手くブルブルとならない場合があります。
3.両手の指(人差し指、中指、薬指)を使い、左右のほっぺた周辺を軽く上に押し上げる
日本人は、表情筋の筋力が弱く、唇のまわりが硬直している場合があります。
それを和らげる様に、少し指で補助してあげる。
指の位置をゆっくり上下させて一番唇がロールするポイントを探して下さい。
最終的に、手を添えなくてもリップロールが出来れば理想ですが、どうしても出来ない方は手を添えて行ってもOKです。
私達が使う日本語は、表情筋をあまり使わなくても発音が可能な言語です。その言語的な特性から、頬筋や上唇結筋などが硬直している場合が多くあります。
※表情筋についてこちらをご参照下さい。
余談ですが、欧米人が日本人のマネをする時、鼻の下を横切る様にセロハンテープを貼り言葉をしゃべるマネをしたりします。テープのせいで上唇が動かなくなるからです。その位、日本人は表情筋を使わずに言葉を発しているのです。
まずは空気だけでブルブルが出来るようしましょう。それが出来るようになったら次に、リップロールに音階を加えトレーニングを行います。
4.音と音階を加える(「ブゥ~」と言うつもりで) 5.ドレミファソファミレドを行う。
音階を半音ずつ上げて行って、又下がってくる。音階の種類は、オーソドックスなモノであれば違うモノでも構いません。「ドミソドソミド」などでもOKです。
細かく言えばまだまだありますが、ひとまず5番まで出来ればリップロールは完成です。
- リップロールを行う上でのコツ
- 空気の排出量を一定に保つ
- 力まない
唇を強く閉めながらでもブルブル出来ますが、これだと、音程が上手く取れなくなったり、喉が完全に閉じてしまったりします。リラックスして行うことが重要です。
リップロールについておわかり頂けましたか?
リップロールは、正しい発声を身につける上で、非常に有効なトレーニング方法です。
私の場合、いつもスタジオ・レコーディングの前にさりげなくリップロールを行ってウォーミングアップしています。