今日は、一般の方の歌をレコーディングするときに、私がいつも気になっている『ヘッドホンの音量』について簡単に書いてみたいと思います。
多くの方がヘッドホンのボリュームを大きくしすぎている傾向にあるんですね。
レコーディングに慣れていない方は、どうしても歌うことに精いっぱいになってしまって、
ヘッドホンから聞こえてくる音のバランスや音量に気を配っていない
ように感じます。
経験のなさからそれも無理もない話なのですが、ヘッドホンの音は歌にとても影響するんですね。
以前、【ヘッドホンへの音の返しが「歌の良し悪し」を分ける】の記事の中で、
- 良い歌を歌うには
- 歌いやすいオケのバランスで、気持ちいい自分の声がヘッドホンから聞こえてくることはとても重要です。
レコーディング時の必須アイテム「キューボックス」
そもそも歌をレコーディングする際は、『キュー・ボックス(Cue Box)』という小型ミキサー付きのヘッドフォン・モニタリング・システムを使って、そこにヘッドフォンを差して音を聞くことになります。
通常ここに
- オケ2mix
- 単独のボーカル
- クリック
- シンセメロ(場合によって)
- マスター(全ての音が入った2mix)
などを返して、ボーカリストは自分で歌いやすいようにそれぞれの音量を調整します。
ドラムやピアノなどの『各楽器のオケのバランス』については、レコーディングエンジニアが調整することになります。
『オケと自分の声のバランス』や『ヘッドホン全体の音量』については、このキューボックスを使いボーカルブース内で、自分で聞きやすい(歌いやすい)音量に調整します。
ヘッドホンの音量が大きいと、音程が悪くなる
経験上言えることは、
ということです。
「どうしてそんなに大きい音でモニターするんですか?」と私がお伺いすると、
- 「普段ヘッドホンで音楽を聞く時も、これくらい大きい音で聞いてます。」
- 「自分の歌が小さくて聞こえずらいので、大きくしました。」
とおっしゃるんですね。
いつも大きく音で聞いている
まず1.についてですが、普段から大きい音で聞くことに慣れてしまっていて、ヘッドホン音量が大きめでないと歌いづらいのでしょう。
そのような方は大きめの音量で歌うのもいいとは思うのですが、長時間にわたるレコーディングの場合は話が別で注意が必要です。
2時間も3時間も大きい音量でモニターしていると耳が疲れてきてしまい、結果として歌に影響するからです。
やはり音量は適切な大きさで聞くことを心がけましょう。
自分の歌が聞こえにくい
それから、2,の『自分の歌が聞こえにくい』という方はキューボックスで『ボーカルの単独』を上げましょう。また
片耳をヘッドホンから外すと、自分の声が直接耳に伝わりやすいので、歌の表情も感じ取りやすくなります。
これらはレコーディングに慣れている上級者やプロにとっては常識でありますが、初心者は自分が歌いやすいようにヘッドホンの音の調整をもっと意識するようにしてみてください。
もっと『ドラムを上げて』とか、『ギターを下げて』『ボーカルのリバーブを深めに』など、歌いやすいようエンジニアにもリクエストしてみてください。
歌がきっと良くなるはずですよ。