前回まで2回に渡り『しゃくり』とは何か?について、音源や譜目を使って細かく解説してきました。

次に皆さんが思うことは、
「じゃぁ、どうすれば出来るようになるの?」と言うことではないでしょうか。

今回はその問に答えるべく、『しゃくり』が出来るようになるマル秘トレーニング方法をお教えします。

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『しゃくり』の正体とは何か?

まずは『しゃくり』について、簡単におさらいしたいと思います。

『しゃくり』とは、歌の節のひとつで、メロディを下の音程からずり上げる様に歌う歌唱法

そして『しゃくり』には、その入れ方によって様々な歌唱テクニックがあります。

  • 「しゃくりを入れる場所」「しゃくり上げるスピード」「しゃくり始める音程」によって、様々なバリエーションがある。
  • しゃくりのバリエーションを組み合わせることで、アナタだけのオリジナルな歌の表現ができるようになる。

以前のブログ記事をご覧になっていない方は、是非ご覧下さい。【しゃくり】の意味や、様々なテクニック・具体的な歌唱法を解説しています。


歌のしゃくりとは?① ~ボーカル音源と譜面で聴き比べ・解説~
歌のしゃくり② ~歌唱テクニックの3つの具体例をボーカル音源で解説~

当ワンズウィル・ミュージックスクールに通っておられる生徒さん達も、歌の表現レッスンでは必ずしゃくりについて触れます。

昨今、カラオケDAM精密採点DXの影響もあり、しゃくりに関して興味をお持ちの方が非常に多い、というのが率直な感触です。

しゃくりをマスターするためには、様々なエクササイズがありますが、今回は、初心者でも出来るトレーニング方法を1つお教えします。

この方法、実は身近にあるのに意外と知られていないかもしれません。

みなさんは、カラオケBOXに行きますか?
多分このブログをお読みの方は歌好きの方が多いと思いますので、ヒトカラ(一人でカラオケに行く事)してる方も多いのではないでしょうか?

そのカラオケBOXにこそ、初心者でも出来るしゃくりのトレーニング方法があるのです。

その名も「DAMボイストレーニング」

「DAMボイストレーニング」

さて、ご存じの方も多いと思いますが、第一興商のLIVE DAMには数多くのコンテンツが搭載されています。

その中に「DAMボイストレーニング」(略:DAMボイトレ)と言うコンテンツがあります。

これは、かなり画期的なプログラムで、なんと1人でボイトレが出来てしまうと言うすぐれものです。

我々ボイストレーナーには手強いライバルなのですが、やはり人間と機械はベクトルが違いますのでその辺は大丈夫かと思います。

そして当然、機械には機械の良さが有りますので、今回は「DAMボイストレーニング」を使ったトレーニング方法を皆さんにご紹介したいと思います。

まずは、必ずLIVE DAMの機械が設置してあるお部屋を借りて下さい。
入店の際に「LIVE DAMのお部屋をお願いします」と告げれば、お店の方がそうしてくれるはずです。

DAMボイトレ≪コンテンツ開始の方法≫

以下の順番でリモコンを操作下さい。

  • デンモクiDの場合:TOP > コンテンツ > 検定・ボイトレ > DAMボイストレーニング
  • スマートDAMの場合:TOP> コンテンツ> DAMボイストレーニング

すると以下の画面が立ち上がります。

DAMボイストレーニング-Top画面

「DAMボイトレ」には、ボイトレのメニューが38種類プリセットされており、マイクを通して歌うことで機械が音程やリズムを検知し、判定を下してくれます。

見事エクササイズをクリアできれば次のステージへ進める、と言うゲーム感覚もありますので、楽しんでトライできます。

しかし、あなどるなかれ、後半は結構難易度が高いですので、クリアにはそれなりのテクニックが必要です。

『しゃくり』エクササイズ

次に、「しゃくり」エクササイズの画面を立ち上げます。

DAMボイトレのTOP画面より > トレーニング > STEP1と進みます。STEP1の画面の下の方に「しゃくり」と言うエクササイズがあります。

DAMボイストレーニング-しゃくり-トレーニング

これが、是非トライして頂きたいトレーニングです。

エクササイズはド~ソの音階をしゃくり上げで繋ぐというものです。
ド~ソの音階でキーが7つ上昇します。

まず初めに見本のプレイが流れますので、そのプレイに習って行って下さい。

DAMボイトレ-しゃくり譜面

※女性キー、男性キーがありますので、必要であれば切り替えて下さい。
(切り替え方:DAMボイトレTOP > 音程選択 > 高め&低め)

このエクササイズは、しゃくりの基本的なツボを抑えていますので、トレーニングとして非常に有効です。

これが上手く出来るようになれば、実際の歌でのしゃくりも必ず上達します。

『しゃくり』トレーニングのやり方

理想形は、下図の様に、上下の音程が青く色づき、加えて、赤い「~」の様なしゃくりマークが表示される状態です。

DAMボイストレーニング-しゃくり-上手くいった場合

DAMボイトレ『しゃくり』トレーニング 攻略のコツ

コツを掴むまでは、なかなか難しいと思いますが、何度かトライするうちに分かって来るはずです。

私の体感ですが、

見本のプレイより、多少しゃくりのスピードを早める感じで歌うと上手くいきます。
細かく言うと、ドからソに行くソの手前で、素早く上げる様にするのがコツです。

※しゃくりのスピードとは、音程をズリ上げる速さの事です。

分からない方は、以下の記事をご参考にして下さい。
歌のしゃくり② ~歌唱テクニックの3つの具体例をボーカル音源で解説~

上記ポイントを参考にトレーニングしてみて下さい。頑張りましょう!

『しゃくり』トレーニングでありがちな減点ポイント

下図の様に、音程バーが下に1段ズレて出てしまう事がよくあるんですね。

DAMボイストレーニング-しゃくり-コツ

これは、DAMボイトレの基準ではNGとされますが、実際の歌で行う「しゃくり」においては、許容範囲内だと思います。

歌の中でしゃくりのスピードは一律ではありませんので、早くしゃくる場所もあり、ゆったりしゃくる場所もあります。

ただ、ここでの正解はあくまでもDAMボイトレ基準でのことです。

ポイントを踏まえながら、チャレンジしてみて下さい。

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応用編

このトレーニングでは「まぁ」と言う発声で行っていますが、慣れてきて上手になってきたら、他に「ちぃ」「へぇ」「むぅ」などでも試してみると良いでしょう。

というのは、

母音によって
「音程が上手くしゃくれない」
「上手く音程を合わせられない」

という場合があるからです。

発声する言葉によって音程が不安定になる場合、
原因は舌の奥と顎の関係にあります。

この症状が出る方は、ボイストレーニングの基礎が出来ていない証拠です。

克服したい方は、やはり人間のボイストレーナーに細かくチューニング(トレーニング)してもらう事をオススメします。

もちろん当校でも行いますのでお気軽にご相談下さい。

自分の歌を聴いて、課題を発見し修正する

又、DAMボイトレでは自分が歌った各エクササイズを「試聴する」事も可能です。
自分のトレーニングを客観的に聴いて、修正に役立てる事も出来ます。

DAMボイストレーニング-しゃくり-試聴

「自分がどう歌ったのか?」を認識する事は、上達への何よりの近道です。

ワンズウィルミュージックスクールよりお知らせ

『カラオケ上達ボイトレ講座』を開講します。

「思うように声が出ない、だから上手く歌えない」とお悩みのあなたに効果テキメン!カラオケに必要な発声を気軽に楽しくレッスンして、上手く歌う方法が身につきます。

今回紹介した「DAMボイトレ」は、ボイストレーナーから見ても非常に良く出来たコンテンツだと思います。

一人でも、ゲーム感覚でトレーニングが出来るので是非活用してみて下さい。

繰り返しになりますが、最後までクリアするのにはかなりのテクニックが要ります。実際私も後半は1発クリア出来ないものもありました。

またこのシステムは、精密採点DXのシステムとほぼ同じシステムだと思いますので、採点で高得点を目指している方のトレーニングとしてもお勧めします。

★DAMのメンバーIDでログインすると、トライした記録が残ります。詳しくはお店の方にお尋ねください。