みなさんは、発声練習をしたり歌を練習する時に、自分の声をボイスレーダーなどで録音しているでしょうか?

これは是非やっていただきたいです。

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≪自分が聞こえている声≫ と ≪周りの人が聞こえている声≫ は違います

みなさんも自分の声を録音した時に、「いつもと違く聞こえる」と思ったことがあると思います。歌を録音とまではいかなくても、例えば留守番電話に録音した自分の声は聞いたことがありますよね。

何故違って聞こえるのでしょうか?

医学的に言うと、「自分の声」は以下の2つから成り立っているからだそうです。

  • 体内の骨より伝わる声(骨導音)
  • 空気中を伝わる声(気導音)

つまり

  • 録音した声・周りの人が聞こえている声
         ⇓
    空気中を伝わる声(気導音)
  • 自分が聞こえている声
         ⇓
    空気中を伝わる声(気導音) + 体内の骨より伝わる声(骨導音)

自分が声を出している時に聞こえる声は、体の内部の響きがブラスされた声を聞いている

という事なのです。

『自分が聞こえている声』と実際に『周りの人が聞こえている声』は違うんだという事ですね。普段はそんなこと意識しないですよね。

ボイトレで発声を習っている方はこんな経験をお持ちではありませんか?

『先生に指摘される事と、自分が感じている事が違って戸惑ってしまった。』

それももしかすると、先生と自分では、聞こえている声が違っているから、とも考えられなくはありません。

私はこんな経験をよくします。
歌のレコーディングをしていると、ボーカリストと私とで、声の聞こえ方や感じ方にギャップが生じるのです。

特にシンガーソングライター系のアーティストに多いのですが、 悲しい曲を歌っている時など、感情移入もあって彼等はわざと小さくこもった様な声で歌う事があります。自ら書いた詞なのでなおさらニュアンスを入れたいのでしょう。

そんな時に歌の感じ方でギャップを感じます。スタジオでの会話を再現します。

レコーディング中の私とアーティストの会話

私が「気持ちを込めてるのは分かるけど、もう少し声を出さないと埋もれてしまって説得力がないかなー」とディレクションすると、

本人は「悲しく弱い感じで歌いたいんだけど、十分声は出しているつもりだけど」 との受け答え。

私が「じゃあ、今歌った箇所を再生するから聞いてごらん」 と本人に聞かせます。

すると、「ホントだー、これでは弱く歌いすぎたし、オケに埋もれちゃうますね」 と本人。

このように、

録音した自分の声を聞いてみると気づくことがあるんです。声を小さく弱く歌っても、本人は声は響いていると思っていたのです。

客観的に自分の歌を聞くことの難しさ

このように、歌っている時の自分の声は、身体内部の響きも重なって聞こえてしまうため、外に出ている声とは厳密にいうと実際には違うのです。

また歌っている時は感情移入もあって、冷静に自分の歌を判断するのは、当然ですが難しいものですよね。

発声練習をする時は特にそうですが、自分の声が実際にどのように響いて外に発せられているのか、完全には把握するのはできません。
口内や頭、体全体を響かせるトレーニングを行う時などはなおさらです。

ではプロはどうか?

自分の歌をレコーディングなどして聞いている回数が違います。
どう歌えば、どう響き、どう聞こえるのか?経験で分かっているのです。

発声練習はキチンと録音しながら行っている方もたくさんいます。
客観的に聞ける耳がなければ、なかなかプロにはなれないものです。

発声・歌のトレーニングの時は、自分の声や歌を録音しましょう

やはり発声練習をする時は、簡単なボイスレコーダーなどでいいので、自分の声を録音して、どのように自分の声が響いているのかチェックしながら行う事を是非していただきたいです。

体の内部の響きが声にのって聞こえてしまうと、例えば口を小さくしか開けずトレーニングをしていても、自分では十分良い響きになっていると感じてしまいます。

録音しながら行えば、何より自分の声を正確に聞くことが来ますし、客観性をもって判断する能力も身につきます。

ボイスレコーダーの再生音では、声の響きまで判断するにはやや難があるともいえるのですが、最近の機種はとりあえず許せる範囲の音質はあります。

または、iPhoneに標準装備されている【ボイスメモ】を使うのもお手軽です。再生音の音質が気になる場合は、ヘッドホーンで音を確認するのが良いでしょう。

また歌を練習する時も、録音をしながらトレーニングするのをおススメします。
いい部分、悪い部分を含めて、自分の歌をチェックするのは歌の上達に大変効果的です。その場合、出来ればマイクを使って録音してもらいたいです。

最近はパソコンを使って録音が出来る機材やソフトも安くなってきてますし、 ソフトにいたってはフリー(無料)のものもたくさんあります。

Mac OSに標準装備されている【GarageBand】はおススメです。
私の友人である、某有名シンガーソングライターもデモテープ作りなどに使ってますよ。

もう少しこだわって録音したい場合は、当ブログ≪ボーカル請負人≫の【自宅でパソコンを使って録音する方法】を参考に、安い機材でいいので、少しずつそろえていって録音を楽しんでみて下さい。

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第三者に客観的に判断してもらうのが理想です

独学で発声法を学んでいる方もたくさんいらっしゃいますよね。それはそれでいいとは思うのですが、やはりその道のプロに適切な指導をしてもらった方が客観的に声や歌について判断してもらえると思います。

前述のように、自分の声は、歌っている時には体の内部共鳴もあって、自分の耳ではなかなか正確に判断する事ができません。

一流プロスポーツ選手にも必ずコーチが存在するように、冷静に客観視してもらえる人がいた方が、迷いが生じたときに正しい方向へ導いてくれます。

ワンズウィルミュージックスクールのボーカルレッスンは、全てのレッスンにレコーディングを取り入れてます。
【ボイストレーニング】でももちろん歌をレコーディングします。

理由は、

高音質で録音された歌を聴いてみると、自分の弱点がありのままに見え、発声・歌い方を正確に把握することができる

からです。

自分の発声・歌い方をシビアにチェックし、課題を克服することで確実にレベルアップしていきます。講師陣が第三者の立場で歌を聞いてご指導していきます。

自分の歌を客観的に判断するのはとても難しいことなのですが、これが出来るようになると必ず歌は上達します。

それには自分の耳で、自分の声や歌を、聞いて感じることが何よりも大切だと考えております。