歌録りの際のコンプレッサーの設定はとても重要です。
どんなに良いコンプレッサーでも、掛けすぎると歌の自然なダイナミック感やクリアーな音質を損なってしまいます。
特にバラードのようなスローな曲では、歌の盛り上がりの最大値の部分でコンプレッションが少し掛かる程度に設定しています。
先日の現場も音数の少ないスローな曲だったため、レシオも4対1(1176の最小値)にし、極力針が大きく振れないように調整しました。
Universal Audio 1176LN
上の図は昨日のレコーディングで使用したコンプレッサー Universal Audio 1176LN)のUVメーターです。
曲の盛り上がりの最大値で-3 ~ +7位になるように調整しています。
以前のブログ>で書きましたが、
Vocal録音のアタックやリリースタイムの 基本設定は
≪アタックタイムは遅め、リリースタイムは速め≫
です。
ですが先日レコーディングした楽曲が英語曲でボーカリストの発声もアタックが強い(滑舌が良い)雰囲気だったため、アタックタイムを少し速めに設定しました。そうすることにより思い通りの自然でクリアーな歌を録音することができました。
※子音の多い英語曲や、日本語の曲でも滑舌の良いヴォーカリストの場合はアタックを速める場合があります。
スローな曲の場合は、音質のちょっとした変化も随所に現れてしまうため、ボーカリストの声質や発声にあわせて柔軟に対応し、細心の注意を払った設定が必要になります。
私も全然まだまだなのですが、現場に合わせ色々設定を変えてみたりいじり倒してみる事で、自然とコンプレッサーの癖を理解できるようになってきました。
こればっかりは場数が必要になりますので、皆さんも是非お使いのコンプで色々な設定を試し、コンプレッサーの癖を掴んで下さい。