本日のワンポイントアドバイスはボーカルのEQについてです。
ボーカルのEQで2~4kHz以上が持ち上がっていて、600〜800Hzより下を徐々にカットされていく設定を良く見かけます。
某音楽雑誌にもこの設定を推奨する記事も載っていた事もあり、その影響もあるかもしれないのですが、、、僕はこの設定は非常にもったいないと思っています。
では何故800Hzより下をカットするのでしょう?
主な目的はボーカルのもっさり感(やぼったさ・ぼんやり) を取り、スッキリ・クリアーに聞かせたいからでしょう。
ボーカルのEQは800Hzより下、特に120Hz付近で厚み・暖かみを持たせる
しかし、ボーカルの800Hz辺りより下というのは、個人差はありますが一番人間味、暖かみを感じられる部分で、特に厚みという点では120Hz付近にあると考えています。
感情を打ち出さない4つ打の無機質でクールな(ロボットボイスのような)音楽をイメージしてVocalの存在感のみを打ち出すイコライズをするにはその部分をカットしてしまう方が合っているのかもしれません。
しかしボーカルの人間味や感情を表に出したいのであればそこのEQはなるべくカットしないような設定をお勧めします。
特にPiano1本のスローバラード等で、そこを削るのは御法度です。(自分も以前は何も疑わずその設定を使用していた本人ですが、、、苦笑)
暖かみもそうですが、ボーカルの音像も非常に狭まってしまいます。存在感の薄い、細い歌声になってしまいます。
実は80年代のJポップスは何でもかんでもボーカルの下をカットしてスッキリ聴かす手法が流行りました。(ボーカルだけでなく他の楽器の音も)今聞くとキーンとした音で耳触りに感じるくらいです。
今までボーカルの下をカットしてしまっていた人も、是非Vocalの中域から低域を大切にするイコライジングを試して聴き比べてみて下さい。
言われてみれば、、、確かに、、、って感じると思いますよ。