皆さんは曲を作る時に、ちゃんと歌って作っているでしょうか?

というのも、最近ボーカルディレクションを頼まれる曲が、音符を怒涛のごとく詰め込んだメロディーが多く、『いったいどこで息継ぎをすればいいの~?』と頭を抱えてしまうことがあるんですね。

『鍵盤だけで作ったメロディーなのかな?』と感じてしまう、どこか無機質で、音階も上下に飛びまくる、まるで楽器が奏でるメロディーのような曲。

これもボカロの影響もあるのか?流行なのでしょう。

ただ人が歌うという事を考慮すると、あまりにも音数が多いテンポが早い曲というのはボーカリストにとってはやや酷な面もあります。

ボカロ系の曲は個性的なメロディーも多く、良い曲もたくさんあると思います。より自由な発想の新しい音楽を生み出していると感じています。

ただ生身の人間が歌うことを前提として作曲する場合は、歌っていて無理のないメロディーの動きにするべきだと思いますし、歌ってメロディーを確認する(歌って作る)ことを忘れないで欲しいです。

歌ものの作曲の基本は、まずは鼻歌でもいいので口ずさんで思い浮かんだメロディーが最初にあるべきだと私は考えています。

その頭に浮かんだメロディーを、コードを付けていく段階で多少なりの変更を加える時に、はじめて鍵盤でメロディーを確認していく。

シンガー・ソングライターが作る曲は、どこか独特でグッと心を突いてくるメロディーが多いですよね。

それは自分の声(歌)という最高の楽器を持っている人が、歌ってメロディー作っているからだと思います。

しかも鼻歌で歌ったパッと頭に浮かんだメロディーというのは、覚えやすくヒューマンだと思います。

歌心あるメロディー作りを心がたいものです。

ワンズウィル 中山 雅生