マイクプリアンプには位相スイッチがついている機種が多いのですが、「これは何?」と感じている方も多いと思います。

位相についての詳しい説明はとても深く難しい話になりますので、今日はマイクプリについている位相スイッチについて簡単に触れてみたいと思います。

マイクプリ_Chameleon Labs  7602mkⅡ Toneflake Custom

スポンサーリンク

位相のスイッチは入れていない状態が正相で、入れた状態が逆相。

音は空気を波打って進んでいくのですが、逆相とはこの音の波形を真逆にする事とお考え下さい。

もし、逆相にスイッチを入れた状態で歌を録音すると、声を発しているボーカリストは正相(+)の波を出しているのに対し、ヘッドフォンからは逆相(−)の波で聞こえてくるため、お互いを打ち消し合ってしまいます。

直接聞こえる自分の声は正相なのに、ヘッドフォンから聞こえてくる自分の声は逆相なので、違和感のある聞き取りづらい声になるという意味です。

波が真逆になるという事は、波同士がお互いの波形を消し合ってしまうので、聴感上では音が籠ったような状態で、音の芯が聞き取りづらくなります。

DAWソフト等で機械的に逆相の波形を作って、正相の波形と同時に再生させると音が全く出なくなります。

他の楽器でも同じような状態になりますので、基本はスイッチを入れない(正相)状態で録音するのが基本です。

スポンサーリンク

位相スイッチを使う場面とは

ではどういう時に使用するか?

位相スイッチは、ドラムのスネアのボトム(裏)の音を収録する時など、録音する対象物の表面のマイクに対し、もう一方のマイクが逆(裏)になってしまう時に初めて威力を発揮します。

スネアの場合は表に立てたマイクは+(正相 )の波を収録しますが、ボトム(裏)に立てたマイクは(表のマイクに対し)−(逆相)の波を収録しています。

よって

裏のマイクは逆相で録音する必要があり、そうしないとお互いを混ぜ合わせた時に、スネアの音の波を打ち消し合ってしまい籠ったように聞こえてしまいます。

これを防ぐ為に位相のスイッチがあります。

DAWを使用されて作編曲を行なっている皆さんは、なかなかご自身でスネアを録音する機会もないと思いますので、ご自宅等で歌等を録音する際はスイッチには触らなくてOKとお考え下さい。

ワンズウィル 下田 義浩